【生産者インタビュー】新潟県・わくわくファーム 神田長平さん
「お客さまの声をずっと大切にしています」 


 





思っていることをズバズバ言っちゃう神田少年

 
昭和50年。
両親、ばあちゃん、私、弟、弟の3人兄弟の長男として私は生まれました。
 
小学校6年生の時には生徒会長でした。よく喋るということで任命されたのだと思います。
普段の生活では、習い事のそろばん、習字、野球、そして家の手伝いをしていました。
少し気の強い少年で、割と思っていることをズバズバ言って、どちらかというとみんなをまとめるタイプ。
黙ってみんな意見だけを聞いていて、最後まとまらずにグダグダになるのが嫌で、
「これでいこう!」と、まとめる役みたいな感じでしょうか。
 
地元では、若い農家はあまり自分の意見を言いません。でも誰かが言わなきゃいけないことってありますよね。
でも、なかなかみんな思ったことを言わない。
そんな中でもズバズバ物を言って、今でも怒られることがよくあります(笑)
 
 

自分の誇れる場所をつくりたい
 



 
高校は地元の普通高校に進学しました。
3年生になって進学を考える中で、東京農大にいこうと思い、担任の先生に相談しました。
推薦を出してくれると言ってくれましたが、当時学費や生活費など4年間で1000万かかることがわかり、
1000万も出してもらって、卒業したらすぐに帰ってこいと言われそうで、やめました(笑)
結局、地元の新潟県立農業大学校に進学し、寮生活を2年間。
ありがたいことに、今でもそこでの友達の付き合いが続いています。
しかし、卒業を控えても、実家をすぐ継ぐつもりはなかったんです。
いつかは家を継がないといけないなと思っていましたが、
少し反発心もあり、すぐには継ぎたくないと思っていました。
担任の先生に「就職したい」と話したら、東京の農機具メーカー、井関農機株式会社からお声がかかり、
あれよあれよという間に就職が決定。茨城県守谷市で半年間の研修の後、栃木県に営業として配属されました。
3年ほど働いた頃、父から「そろそろ戻ってこないか」と言われて、23歳で実家の農家に入りました。
まずは、ここまで育ててもらっていたこと。
また、親の仕事を見ていて生活できない職業じゃないんだろうなとも思ったし、両親が仕事の嫌なことも表にださなかったから。

 
農業の基本は農業大学校で勉強したつもりでいたものの、家に入ってもわからないことだらけでした。
最初の年は田んぼのことを覚えたり、一年間どう仕事がまわっていくのかを覚えるのに必死で、あっという間。
1年目は訳がわからず過ぎていきました。
その後、2年目、3年目と時間が経つと、少し余裕が出てきます。
こうして作業がわかってくると、うちのお米はどこに出荷して、どんなところで売り上げが出ているのか、
今度は家の経営が少しずつ見えてきます。


就農して7年目、30歳のころに、うちの今の資源を活かして親父にできないことをやりたいという自立心が芽生えてきました。
このままずっと親父に、あれをやれ、これをやれと、
言われるままやっていっても面白くないという思いもありました。
今までのやり方は周到しつつ、今までやっていなかったやり方を確立して、
あれこれ言われない自分の部門をつくりたかったのです。
当時、直接販売のお客さんもある程度はいましたが、
もっと直接販売できるお客様を増やしたいと考えました。
そこで私は考えたのは、
「地元で栽培したお米だからこそ、地元の消費者に食べてもらいたいということ」。


周りの多くの農家さんが、地元なんかじゃ売れないからと大都市圏への販売に目を向けがち。
でも私は、お米を買っていただいているお客様に意見をききたくて、アンケートを取り始めました。
アンケートというと、なかなか書いて頂けないイメージがありますが、
今までの傾向を見てみると、約半数の方からアンケートが返ってきています。
アンケートの内容を読んでみると、我が家への応援のメッセージが書いてあることが多く、
お客様は我が家の応援団でいてくれるんだと気付かされます。
頂いたアンケートは、必ず家族全員が確認。
お褒めの言葉が書いてあると、家族みんなやる気が出るので、本当にありがたいことです。
 
 

応援される対応をすること
 


 

最近では、ご親戚やお知り合いをご紹介頂けることがとても多くなりました。
とてもありがいたいですし、我が家が認められているようで本当に嬉しいですね。
わくわく農場がみなさんに評価を頂いているのは、お米がおいしいさもあると思うのですが、
日々誠実に対応させて頂いているのも大きいのではないかと考えています。
 

今日送るものはきちんと送るなど、当たり前なことを当たり前にやること。
約束を守ってくれるっていう信頼感を大事にしたいのです。
例えば、頂いたメールに返信する際でも、ただ要件を返信するだけではなく、
最近の出来事や家族の事、天気の事など、少し個人的とも思われるようなことを書いて、
気持ちを込めているメールだなと思ってもらえるような、暖かさのある返信を心がけています。
お米配達や発送する時に、毎月我が家で書いているお手紙を添えているのですが、
お米だけ発送したり、配達しているのはダメだと感じています。
誰が作っているお米で、どんな想いがあって、どんな家族が、どんな風景でやっているか、
っていうのを伝えることが、とても大事なのではないかと。
もし自分がお客様なら、自分が買っているお米農家がどんな人なのか分かる方が、
きっと嬉しいし、安心できると思うからです。
 
 

これからも自分たちが農業をつづけていくために・・・
 



 
多くの農家は、秋にお米を収穫したらすぐに農協やお米業者にすべて販売して、一年が終わります。
一括で販売した方が手間もかからず、また代金が一気に入ってくるので楽ですが、販売価格は低くなります。
 

一方、直接販売が多い我が家の販売方法では、次のお米が獲れる秋までの一年間、お米を保管し、
また暖かくなってくると低温倉庫で管理し、注文がある度に少しずつお米を出荷していきます。
もちろん、手間や経費はかかりますが、販売価格は一括で販売するよりも若干高く販売できます。

 
周りの農家の方の中には、販売価格が少し高くても、
面倒をしたくないということから直接販売を行わない方が結構いらっしゃいます。
私も売上が上がれば嬉しいというのはもちろんありますが、
何よりも、直接お客様とのやり取りができることがうれしい、嬉しいご意見を頂く事がありがたい、
ここを一番感じているところです。
 
 
ご存知の通り、農業をやっていると当然お金がかかりますので、
売り上げなくして農業はできません。
 
多くのお客様に買ってもらうことは、すなわち
「農業を続けていける」
ということです。
 
先祖が代々築いてきた「農業」を続けていくために、お客様にお米を買ってもらい、
応援して頂き、お客様には食べて喜んで頂くことを続けていきたい。 
10年後20年後、さらに次の世代にも農業を残したい。 
そのためにこれからも頑張っていきます。
ぜひ応援をよろしくお願いいたします!!